【名前】T.Iさん(男性)
【生年月日】1961年8月1日
【既往歴】なし
【初診日】2001年5月16日
【主訴】左下の奥歯が痛む
【パーソナルデータ】
歯磨き習慣:1日2回 1~2分程度
喫煙:20本/日程度
口臭:自覚あり
歯ぎしり:自覚あり
その他:花粉症・口呼吸・胃弱体質
初診時の口腔写真と検査結果

中程度~重度の歯周病に罹患。
ブロービング値の大半が4~6mm。臼歯部にいたっては、根分岐部病変2~3度、高度に骨吸収が進行し保存は難しい状態。歯肉縁下カリエスと咬合高径にも問題があり、さらに詳しい模型診断を要する。
TBI
1回目 | PCR80%以上。ブラッシング時間は短く山切りカットのブラシを使用中。 歯ブラシを医院販売のヤングIISに変更・歯磨剤の使用中止 |
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2回目 | クロルヘキシジンの紹介。セルフケア習慣の確認。 前回より改善あり。 |
6回目 | 歯間ブラシの使用法説明・SS・Mの2種類を使用してもらえるよう説明。 |
TBI後の口腔写真と検査結果

ブラッシング習慣が身につき、デンタルIQも高くなった。分岐部病変や縁下カリエスは歯周外科にての治療が必要。また、保存不可能な歯牙がある。
カウンセリング
●18,26,27,28,36,37,38,48は重度歯周炎、根分岐部病変により抜歯
●35,32~44,46,47は再生療法
●確定的外科処置として全顎APF,FGG
●26,27,36は臼歯部の咬合高径、咬合支持を得るためにインプラント治療
●フレアーアウト改善のため矯正治療、15~25は術後の固定もかねてスプリント禁煙は絶対条件:喫煙による術後の治療不全と疼痛
口腔内の細菌をコントロールするための抗菌療法
抗菌療法と歯肉縁上縁下のバイオフィルム除去後の口腔写真と検査結果

プロービング値は2~4mm 出血、排膿はほぼみられない。
一部プラークの付着が見受けられたが、セルフケア(歯ブラシと歯間ブラシで10分程度)は習慣化している。
予定していた36の抜歯はヘミセクションに変更。部分矯正して、保存する意向で進めることに。
外科手術 ~初期治療終了後
2006年3月 | 33~43:ブラケットセット |
2006年6月 | 34~36:ブラケットセット 歯間空隙が開いてきたため、歯間ブラシをLサイズに替える |
2006年10月 | 34~36:固定 |
2006年11月 | 36:ヘミセクション 34~36:FGG 医院販売のタフトSS歯ブラシで脇腹法を指導。クロルヘキシジンにての洗口殺菌 医院にてPTC |
2006年12月 | 34~36:テンポラリークラウンセット |
2007年2月 | 14~17:FGG |
2007年4月 | 14~17:テンポラリークラウンセット |
2007年6月 | 12~22:テンポラリークラウン再セット |
2007年7月 | 13~25:APF |
2007年8月 | 26・27・37:インプラント1次手術 クロルヘキシジンにての洗口を指示 |
2007年10月 | 48:EXT 47:ヘミセクション 46:GTR |
2007年11月 | 45・46:連結 |
2007年12月 | 33~43:APF |
2008年1月 | 36:ブラケットセット(up light) |
2008年4月 | TBI:歯肉の発赤・PC不良のため、医療販売プリニアの使用法説明 全顎的な歯周外科処置により病的なポケットがなくなり歯頚線がそろって歯ブラシが当てやすくなった反面、歯間部が広くなったことと歯冠長が長くなったので舌側からのブラッシングアプローチが少し困難になった。 |
2008年5月 | 26・27・37:インプラント2次手術 |
2008年6月 | 26・27:テンポラリークラウンセット |
2008年8月 | TBI:歯肉の発赤・腫脹あり・PC不良のため、歯ブラシの当て方を鏡を使って指導 |
2008年8月 | 上顎より印象開始 |
2008年9月 | 47~44:FGG |
2008年12月 | 上顎補綴物セット |
2009年1月 | 下顎印象開始 |
2009年6月 | 下顎補綴物セット・再評価 |
最終補綴後の口腔写真と検査結果

歯茎の状態は落ち着いているものの、全体的に若干の発赤と出血がみられる。
PCRが20.4%と高く、特に歯間部の取り残しが目立つ。
歯間ブラシのサイズと角度を確認し、メンテナンスに移行するにあたって自宅でのセルフケアの重要性を説明
メンテナンス
コンクールジェルを用いての3DS【メンテナンス中の管理注意点】
1.プラークコントロールの低下防止(家庭での音波ブラシの使用、歯間ブラシの励行)
2.喫煙状況の確認
患者さん本人の言葉
8年前に初めて掛かった時は治療が途中で中断してしまい、4年前に右の上下が痛くなりそれを機に本格的に治療を始めました。先生から治療方法の説明はありましたが初めて聞く治療内容でお願いはしたけど自分の口の中がどうなるのか半信半疑の治療でした。
歯槽膿漏の手術やインプラントの手術にあたって禁煙を勧められ、何度かの挫折はあったものの禁煙することもできました。約2年治療に時間が掛かりましたが、前歯が綺麗になり仕事が営業なので自信を持ってお客さんと接することができて満足しています。
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